JOURNAL

Writings about the culture of making

En Ja

いつまでも価値のある道具

数年前から私は東京の東側を定期的にサイクリングしながら、自転車用のシティガイドを作ろうと様々な地域の名店や名所を見つけていった。自転車のスピードは町のリズムと同調し、町の工房や小さな工場といった製造の現場がよく見えるようになった。そしてそれらが日常の一部になっていることに惹かれていた。

遊び道具としてのバスケット

銀座散歩の楽しみは、メゾン・エルメス抜きには考えられない。いつ訪ねても、たとえ遠回りになっても、私はレンゾ・ピアノ設計によるタワーの目の前を通り、そのウィンドウ・ディスプレイをチェックするようにしている。正面のウィンドウは定期的にアーティストやデザイナーによる新しいディスプレイを見せてくれるが、特に印象的だったのが、デザイナー・藤城成貴による遊びをモチーフにしたものだった。

森への旅路

日本のものづくり文化は豊かな伝統、細部へのこだわり、そして技巧の絶え間ない探究によって成り立っています。職人たちを現場で長く見ているうちに私は、彼らの仕事の根底にある哲学に惹かれるようになりました。彼らにとってものづくりは職業というだけではなく、生き方のひとつなのです。

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