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JOURNAL

山々

14th April, 2018

僕は知られてない、でもどこかにありそうな山のランドスケープのイメージを集めるのが好きです。夜明け前の鮮やかな空を背景に山の頂たちが黄金色に輝いているイメージだったり、山の暗いパノラマを風景にし、畑の上にまばらに農家たちが描かれているドローイングだったり。

ある人々にとって山はチャレンジや達成の頂点、そしてそれぞれの限界を試すための場所でありながら、その全ての経験を抱く存在。僕を含め、誰かにとって山は象徴的な意味を持ち、自然の神秘さや魅力が具現化されたもの。 このような感覚は写真家・濱田祐史の「Primal Mountain」という作品にもよく表れていて、彼が人為的につくり上げたランドスケープシリーズで、こう語っています。

「見た人が頭に思い描いた想像上の山こそが重要だと思っています」

東京で暮らしている僕からしてみれば、自然のイメージはインスピレーションや考えのもと、そしてこのイメージの表裏にある物語を探り出し、遭遇するため旅に出ます。石川の小松空港に向け高度を下げていく飛行機の中、北陸の荒涼とした山の背、低く広げられた雲の風景を見ながらそう思いました。

*このテキストは、アウトドアブランドIcebreakerで北陸地域で天然染色されるコレクションのために寄稿したコラムの一部です。

媒体として素材

カーテンの幕の向こう、暗い展示室の中、スポットライトを浴びているプロトタイプを覗くためテーブルの周りに人々が集まっています。あるテーブルでは、磁流により小さな鱗片状の断片が動いていてその隣は、糸や布、リボンや刺繍を用いた実験的な作品がが並んでいます。博物館や研究室を思わせるような雰囲気が漂うこの展示会では、ただの加工物や標本を超える「紙」という一つの素材に潜めている可能性に焦点を当てられた作品と言っていいでしょう。

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