En Ja

Tokyo Craft Room

ライター/2018〜

日本橋浜町の「Hamacho Hotel」内にあるゲストルーム兼ギャラリー、Tokyo Craft Roomの核となっている要素がコラボレーションです。真っ白なキャンバスのように始まり、日本各地のデザイナーや職人とのコラボレーションで生まれたプロダクトが加わってゆくことでスペースは徐々に進化してゆきます。

私は、調査、デザイン、製作というコラボレーションにおける重要な3つの段階の経過をドキュメントしました。技術、素材や地域性といった工芸の製造過程における様々な要素を考察したそのテキストはオンラインジャーナルとして発表。家具から食器まで、様々なプロダクトの製作過程を辿ることで、コラボレーションの意義、それが日本、そして世界における工芸の未来を形作るかもしれない可能性について探りました。

真夏の空気の中で、杉の甘い香りが濃厚に漂っている。ここは岐阜県美濃加茂にある木工家の川合優がディレクターを務める〈SOMA〉のアトリエ。彼が手のひらサイズほどのかんなを手に取り滑らかにすべらせると、削り出された木くずがテーブルを巻きつくように現れる。この単純な作業から木の質感や形、そして香りを感じ取る。これら一連の工程をじっと目を凝らして見つめる2人の女性。 〈De Intuïtiefabriek〉のデザイナー、エフィエヌ・ボイルフとエバ・ゲバルドだ。

デザイナー インゲヤード・ローマンにとって、リサーチは継続的に行なわれているプロセスであり、その広範囲かつ厖大な積み重ねは60年ほどにも渡る。「私がしていることのすべてが、自分自身の一部になる」そう言って、彼女は絶えず好奇心を持ち、リサーチを続けている。インゲヤードのデザインはどれもシンプルであるが、彼女がこれまで経験したすべての物事からインスパイアされているのだ。

CKRとさしものかぐたかはしという今回の新しいコラボレーションがスタートした。お互いの特徴を分析しながらどんなことができるかを探り、理解していく中で、ルーネは高橋が持つ指物の技術の可能性、そして作品そのものに惹きつけられていった。この二人の会話がやがて、新しいものを作るという自信へと繋がっていったのだった。 

Photographer: Momoko Japan

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